自然の岩
岩場は紅葉真っ盛り
甲府盆地周辺の山では今ちょうど紅葉が見頃を迎えています。
昨日行った岩場も、金と赤の光線がまぶしいくらいに溢れていました。
11月にしては気持ち悪いくらい暖かな日が続いてますが、この日も朝からTシャツで過ごしました。
美しい景色とカッコいい岩のなかで、気の合う仲間と楽しむボルダリングは実に贅沢な時間です。
でも、週末になると雨ですね...
先週末は石和店の岩イベントが雨で中止。今週末には富士吉田店の岩イベント「店長と外岩」が予定されていますが、天気予報を見る限りこれも開催が危ぶまれています。
まぁこればっかりはしょうがないんですが、12月にも初冬の外岩イベントを企画していますので、また店頭で告知させていただきます。どうぞお楽しみに。
秋の小川山 トラッドクライミング
富士吉田店のスタッフと常連のお客様とで小川山に行ってきました。
人気のボルダリングじゃなしに、今日はトラッドクライミングです。
トラッドクライミングってのは、人工物を残さないで自然に近い形で岩を登るスタイルなんですが、もっと知りたい方はググってみてください。
通称"カム"と呼んでいるこんな道具を、岩の割れ目の所々にはさみこんでおくと、クライマーが落ちた時そこで止まるというシステム。
で、登り終えた後で全て回収して降りると、岩には何も残さないという具合です。
もちろんカムの設置を正しくきっちり行わないと、墜落の衝撃を支えきれずに外れて大変危険なのですが、そうならないように確かな技術を身につけ、心身ともにコントロールするところにこのクライミングの面白さがあります。
ということで実践。
写真はクレージージャムという名前のルートですが、岩もさることながらそのネーミングの秀逸さを改めて感じました。
僕は数年ぶりだったこともあり、心拍数1.5倍の緊張の登り(苦笑)
手足は概ねクラック(岩の割れ目)にねじ入れて、その摩擦で体を固定します。
写真のあたりから半身を入れて体の各部の摩擦を使って前進するんですが、ジムでのボルダリングしかしたことのない人には、なかなか説明の難しい動きです。
説明だけでなく実際に習得することもジムでは難しいテクニックのひとつなのですが、こういう技術を身につけると岩登りの幅もグンと増えて、楽しみも倍増します。
トップロープで挑戦のスタッフ山田も見事に挟まってます。
一見楽しそうに見えますが、ここのパートはなかなか難しいらしく泣きも入って、ある意味充実のスタッフ研修となりました(笑)
ファイトー! いっぱーっつ!!
と、危うい場面もありましたが(ウソ)、全員無事20mの岩塔のてっぺんに到着。
色づき始めた紅葉と絶景をしばし堪能。高度感と自然のど真ん中にいる隔世感がたまりません。
最高に楽しかったですね。また行きましょう!!
ちなみに下りは懸垂下降で空中を一気に降りますが、これがなかなかに気持ちいい。
こうした技術はピラニアでも指導させていただいておりますので、学びたいという方はスタッフにご相談くださいね。
ではまた。
想像
登攀日和だった大型連休、うち1日を小川山で過ごす。
混雑する岩場は基本好きじゃないけど仲間とセッションできることは楽しい。
モノポケに根負けした後は未登のおススメ課題へ。
「これね、良い課題だからやってみて。」20課題程、登喜男さんにチェックを入れてもらってから数年、今日はこの課題を。
取り付きからしてムーブは分かった。問題はその体勢になるまでのホールディングと離陸時のフットホールド。「とりあえずこの足で…」などという安易な取り付きでトライしたくない。
離陸とマントル時のフットホールドに足送ることが出来る離陸足の位置を探る。およそ確定させたら力の入る手のホールディングを探る。右手は決まった。左手は悩む。二通りの持ち方、離陸とマントルのどちらを優先させるか。ここは右手と離陸足の信頼度から確定する。数パーセントの不確定を確定に出来ない自身の経験値。っしゃ、いってみるか。
力む両手、当て込む足、静かに離陸して最もムダのない軌道で重心をキープしながらマントル足を決める。乗った! 岩をなめるようにじわじわと返しきることが出来た。リップの縁に立てたことで9割の安堵感。最適な踏み足を2、3歩選びダイクに手が届いた。そのままてっぺんまで。
じつに嬉しいトライだった。こんなホールドの配列でも登れるんだなぁっていう発見や喜びが初登時にあっただろうなぁと想像する。
自問自答するt-mo君。岩の名前の由来も伺える美しい岩だ。
このあとt-moくんも完登。マントル返してからのスラブで足を滑らせて危うかったことは黙っておこう。
同じエリアにある僕のおススメ課題をトライするhiromiちゃん。トリトン5級をきっちり登った彼女、同じ5級ではないなっていう表情。ムーブが想像できるくらいの経験値を上げていくのはこれから。
こんな岩も楽しいものだ。また行こう。
裏・店長と外岩
この週末は富士吉田店のイベント 店長と外岩@小川山が開催されて、みなさん多いに楽しまれたようですが、同じ日、石和店の面々で裏・店長と外岩を密かにやっていたのでした。
まぁこれはイベントではなく、僕のプライベートなボルダリングまんまですが(笑)
場所は普段僕(山森)が1人で楽しんでいる某山中の小さなエリア。
この日は夏を思わせる強い日差しが降り注ぐ日でしたが、それも青葉のフィルターを透過した緑の光線がちょうど気持ちよい空間を創りだしてくれました。
でっかい岩はトップロープでチャレンジ。
意図せずセカンドのビレイ講習もしちゃいましたが、それはそれで良かったかな?
この日は山梨県出身で今は愛知県のジムに勤務しているK君も一緒でした。
豊田の岩場をホームにしているだけあって花崗岩のテクニックは大したもの。みんなも勉強になったんじゃないかと思います。
140°くらいのパワフルな課題関所破り(1級)も見事完登でした。
ここはメジャーエリアの岩と違って名前もグレードもないラインばかり。チョーク跡はないけれど、苔や泥はたっぷり付着した原始の岩であっても「ここを登りたい」という気持ちが芽生えたなら、それは立派な動機でありボルダリングです。
まだ誰も登っていないランンを掃除しながらみんなでセッション。
終了点に何かの獣のウ○コが待ち受ける、色んな意味で恐怖の課題も登りました。これぞ自然の醍醐味です(笑)
程よく指皮をすり減らした所で、ラストはお約束のマントルセッションで〆。
みんな1日よく登りました。
ただ楽しいことばかりではなく、悲しい事実もみんなには見てもらいました。
岩場のあちこちに捨てられている大量の産業廃棄物や家庭不燃ゴミです。目を覆いたくなるばかりの惨状なのですが、このゴミをなんとか仲間達の力で回収できたらいいのにね、という話も出てきました。
地元にある素晴らしい自然を守りたい、残したいという意識がボルダリングを通じてより強いものになり、そしてそれがアクションによって実際の保存、意識の定着へとつながれば最高です。
これは僕だけの力ではできないことですが、仲間からそういう話が出たのは喜ばしいことだし、ぜひ実現したいプロジェクトになりました。
帰り道、仲間のひとりから「今までの外岩で一番面白かった」という言葉をかけてもって、すごく嬉しかったな。
僕も本当に楽しい一日でした。また行きましょう!