2023年2月
OVER40 レポート
OVER40 in ピラニアに参加された選手・来場者の皆さんお疲れ様でした。
終始笑い声が途絶えない和やかな雰囲気の中にも、セッションの熱気と勝負の緊張感とがいい感じで混ざり合った良い一日でした。クライミングジム・ピラニア創設20周年にふさわしい、実に愉快で清々しいイベントにできたことを本当に嬉しく思います。
事の発端と裏話

OVER40をピラニアでやることになったのは、去年魚動でセットさせてもらった事に端を発しますが「魚動でやってるOVER40が面白い」という話は以前から聞いていました。ただ自ジムでそのまま丸パクリするのはちょっと芸がないということと、そもそもこれは魚動だから面白いのだろうと何となく推測できました。
魚動は独特の雰囲気をもっているジムだと思います。時代に流されない確固とした核があり、オーナーのJoeさんの人懐っこいキャラも素敵です。OVER40をやるなら本家の血筋を引く形でやりたいと思った理由がここにあります。
やると決まったらもうあとは一直線。スタッフとのミーティングにもいちいちワクワクしていました。
しかし実は今回、直前になっていくつもの予期せぬアクシデントに見舞われて、準備はかなりの綱渡りでした。それでもチームみんなの頑張りでなんとか舞台は整い、あとは開始の合図をするだけという朝のタイミングになって、音響を任せていたDJが会場に来ないという仰天事態が発生! 手持ちのミキサーもこういう時に限ってうまく動作せず焦り狂いました。結局BGMは諦めてマイクでMCだけを流すことにしたのですが、こんな時も「大丈夫。コンペはできます。」と、大人の対応で言ってくれた選手に救われました。
BGMなしのコンペというのは今時珍しいと思いますが、選手の息づかいや独り言、選手同士の励まし合い(けなしあい)、声援とヤジとが全部丸聞こえという、ある意味スーパーリアルな光景を見ることになりました。MCもBGM以上の大声を出す必要がないので落ち着いた雰囲気になるし、なんだか、これはこれで良かったような気もします。

勝負の行方
さて競技の方ですが、セッションの10課題は協賛ホールドの効果もあり(ピラニアにしては)いつになくゴージャスかつポップなルックス。コーディネーションやクラッチムーブなど、やたらと反射神経を試すような流行りの課題は酷だろうということで控えめでしたが、スラビーなジワジワ課題あり、エンデュランスピンチあり。水平カチ&ジャミング。凹角プッシュ+回転ムーブありと、バラエティは豊富だったと思います。Joeさんと(水口)ツッカーの課題もらしさ全開で出色でした。
ファンクラスは初めてコンペに出る選手も多く、緊張で硬くならないか少し心配していましたがスタート直後から怒涛の完登ラッシュ。飛び交う声援の中でハイになって登られているシーンもありましたね。セッション競技だけの予定が決着がつかず、タイブレーク方式で行なったスーパーファイナルだけは緊張感満点でした。結果1回目にゴールタッチまで到達した遠藤雅樹さん(岐阜)が文句なしの成績で勝利しました。
●50歳以上男子は予選から僅差の混戦模様でしたが、決勝でも誰が勝っているのかわからない大激戦。
運命の最終課題はジャンプ&ランディングムーブがあって、オブザベの段階で選手からは驚きの(もしくは文句)声が上がりましたが、4分で何とかなんとか順応してランディングしてしまうのがまたカッコよかったですね。しかし結局この課題では完登は出ず(幻の完登シーンはありましたが...)カウントバッグで青木実さん(東京)の優勝が決まりました。 少年のように軽やかに跳ねて登る青木さんのスタイルは、鈍臭くなりがちな我々に大きな希望を与えてくれました。

44人で競われた40代男子は、伊東ヒデさん(千葉)とクライミングジム・ステラのオーナー宇野鋭気さん(大阪)が全完登で予選首位。9完登の5人が追うドキドキの展開に。しかしこの後も2人のデッドヒートとなり決着は最終課題にもつれ込みましたが、最後は宇野さんが上裸になっての見事な完登で勝利を手にされました。強い! 伯仲の勝負は見応えありましたね〜
(ヒデさんは46歳だそうです。敗れはしたものトレーニングに裏打ちされた強さと、ここぞという場面の集中力はリスペクトです。)
女子は40代と50歳以上をひとまとめにして総合成績で競う形となりました。予選は抜群の安定感で9完登した小川真美さん(愛知)がリード。50代からはハヤリエこと早石利枝さん(長野)が決勝に駒を進めました。
決勝でも小川さんの強さは際立っており、爆発的な肩の力が必要そうな(個人的な印象です)第1課題を軽く料理すると、横綱相撲(例えがイマイチ…)の素晴らしいパフォーマンスで勝ちきりました。クライミング歴は9年とのことでしたが、普段どんなクライミングをされているのでしょう?

そういえば、表彰式が始まる前はベストドレッサー賞の授与と、優勝者のヒーローインタビューをしようと思っていたのですが、本番の進行ですっかり忘れてしまっていました。(忘れっぽいのもOVER40...) インタビューをするはずだった各カテゴリーの勝者の方は申し訳ありません。
またベストドレッサー賞の方は、ラウンドごとに新旧ステキな衣装直しをした上に決勝でも活躍された若林伸一郎さんにお贈りしたいと思います。のちほど副賞品をお送りします。
OVER40の意味
OVER40は若者がいない方が勝負になるから面白い訳ではないと思います。今回の選手のクライミング歴はまちまちでしたが、ボルダリングという同じ遊びが好きな円熟した人間が集うコンペに、これまでにない面白さと価値を感じたのは私だけではなかったと思います。
懐かしい顔ぶれとの再会はやっぱり嬉しいし、この歳で新しい知り合いができるのも嬉しい。初めて味わう緊張の体験や、大きな声援を一身に受けて登ることが嬉しかった人もいるでしょう。「俺はまだまだいけるぞ」という手応えが嬉しかった選手もいるはずです。私としてはジム同士の交流の中で産まれた小さな話を、ドラマとミラクルに満ちたコンペとして実現できたことが最高に嬉しかったです。
コンペはただ順番をつける競技会ではなく、ボルダリングという遊びと仲間のおかげで、自分の人生がどれだけ豊かになったかを再確認する機会として絶好で、OVER40の価値もそこにあるのだと思いました。

コロナ以降クライミングジムのお客さんは中年世代がすごく元気です。どなたも楽しくて仕方ないという顔をされています。私ももうすぐ50歳。可能性は無限大とは言い難いけど、学びと刺激を求めて行動し続けたいものです。
次のOVER40は何時どこであるかわかりませんが、その時までしぶとく登り続けてぜひまたお会いしましょう!!
(記 : 山森)
平均年齢と最年長
OVER40 成績発表
OVER40終了! 笑いと興奮、そして感動に満ちた素晴らしいコンペになりました。メイクドラマというか、メイクミラクルと言った方がいいくらいの展開は、ピラニア史に刻まれるエピソードになると思います。
そんなメモリアルなコンペで輝かしい成績を残された選手のみなさん、おめでとうございます!!
各クラス 上位入賞者
40代 男子オープンクラス
優勝 宇野 鋭気
2位 伊東 秀和
3位 井上 辰政
40代 女子オープンクラス
優勝 小川 真美
2位 金室 聖子
3位 長谷川 実世
※長谷川さん お顔がうまく撮れておりませんでした。申し訳ありません。
50歳以上 男子オープンクラス
優勝 青木 実
2位 宇野 忠
3位 若林 伸一郎
50歳以上 女子オープンクラス
優勝 早石 利枝
2位 小林 三奈
3位 小林 友里
ファンクラス
優勝 遠藤 雅樹
2位 松原 雅彦
3位 宮川 和男
成績表
OVER40 タイムスケジュールとルール解説
当日のタイムスケジュールとルールなどについておしらせします。
決勝のオンサイト競技のルールについては若干変更があります。こちらが最新版になります。
タイムスケジュールのポイント
- 当日の開場は8:30です。
- 駐車場は24時間空いていますが、周辺住宅の迷惑にならないよう、長時間のアイドリングはご遠慮ください。
- ウォーミングアップはボルダーエリアの左側に設けています。なるべく競技直前の選手を優先してあげてください。
- 選手受付は競技開始の約1時間前から行います。
- 選手受付は競技が始まった後でも可能です。 (遅れて来場しても参加できます)
- 9:20からみんなでラジオ体操を行います。(任意参加)
- 各プログラムの時刻は予定です。イベントの進捗により遅れる場合があります。円滑な運営のためみなさんご協力をお願いします。
セッション競技のポイント
- 課題は10課題。1課題につき2個のK点ホールドが指定されています。
- 順位の決定方式は完登数が多い方が優位。完登数が同じ場合はK点超え数多い方が優位となります。
- 競技時間は第1ラウンドが50分。第2ラウンドが20分。第1、第2ともに同じ課題です。
- ブザービートは有効です。(時間切れ時点のトライは有効となります)
- 受付時にスコアシートを渡します。ご自身が登る10課題をシートの番号と照合して確認してください。
- セッション競技ではスタートホールドが指定されています。(フットホールドの指定はありません)
- 選手は競技開始5分前からはスタートホールドのみ触って確認することができます。
- オープン女子(40代+50以上)とオープン50歳以上男子は同時に行います。(課題は別々です)
- オープン40代男子は2つのグループに分けて行います。
- 選手はトライした直後に担当審判から渡されるスコアシートで成績を確認し、不服があればその場で審判に抗議してください。
- テクニカルインシデント(ホールドが動くなどのトラブル)が発生した場合もその場で担当審判に申告してください。
- セッション競技の最終成績は第2ラウンド終了後すぐに張り出します。5分以内は抗議ができます。
- 決勝進出者(ファイナリスト)の人数は各カテゴリー5人(ファンクラス以外)。ただし、同着が発生した場合は5人以上になる場合があります。
- 予選成績が発表されたらファイナリストはアイソレーションゾーンに入る準備をしてください。一度入ると出られないので注意してください。
オンサイト競技のポイント
- 課題は各カテゴリー3課題。K点は1つです。
- 順位の決定方式は、完登数、K点超え数、完登するまでのトライ回数、K点超えのトライ回数の順に多い方が優位となります。(要するに少ない回数で多く完登したほうが勝ち)
- 競技時間(ローテーションタイム)は各課題4分。ブザービートは有効です。(時間切れ時点のトライは有効)
- スコアシートはありません。(審判が持っている)
- ファイナリスト全員がアイソレーションゾーンに揃ったら競技方式の説明を行います。
- カテゴリーごとの競技順は成績下位からです。(5位→4位→3位→2位→1位)
- 第1課題のローテーションタイムがスタートすると、競技順1番の選手は全カテゴリー(3人)同時にスタートします。
- 時間内に登れた選手はアイソレーションゾーンに戻ります。3人全員が完登、もしくは誰かが登れないまま4分経過するとローテーションタイムは終了となります。
- つづいて競技順2番の選手が同じように第1課題をトライし、最後の競技順の選手のローテーションタイムが終了したら、続いて第2課題に移ります。
- (7)(8)を3課題分くりかえします。
- オブザベーションの前に各カテゴリーごとにファイナリストを1人ずつ紹介します。紹介のタイミングで競技エリアに出てください。
- オブザベーションタイムは各課題2分で、3カテゴリー同時に行います。
- 各課題の説明はセッターが行います。わからないことはその場で質問することができます。
- オブザベーションが終わったらアイソレーションゾーンに戻り、自分の出番を待ってください。
その他
- 競技の前後はトイレが混み合うことがあります。競技中に行くなど混雑緩和にご協力ください。
- 食事はジム内ではできません。(感染予防対策のため) 水分補給はOKです。
- 貴重品の預かりは受付カウンターでいつでも可能です。
- タバコはジムの外に設置する喫煙コーナーでお願いします。
OVER 40 選手リスト
エントリー受付は終了しました。
このメンバーで集うことは絶対に一生に一度。一期一会の機会を皆で楽しんで、最高の時間にしましょう。
OVER40 in ピラニアにお申し込みいただき、本当にありがとうございます!
※ エントリーフィーの支払いがまだの方はすぐに手続きをお願いします。こちらで参加チケットを購入できます。
ファンクラス
- 田中 真(ピラニア)
- 山添 薫(クローク)
- 篠原 克朋(フラット)
- 杉平 好美(ピラニア)
- 宮川 和男(ピラニア)
- 毛利 祐介(ライノアンドバード)
- 遠藤 雅樹(魚動)
- 石川 智仁(-)
- 五加 令子(ソラニ)
- 松原 雅彦(エッジアンドソファー)
- 大滝 綾子(ピラニア)
- 吉原 一葉(-)
- 新田 清(-)
- 里 佳加(クランチ)
- 小島 巳貴(ファニー)
- 藤村 洋子(ピラニア)
- 錦木 孝明(-)
50歳以上 オープンクラス 男子
- 若林 伸一郎(エイム)
- 青木 実(プレイ・マーブー)
- 森崎 寛(エイム)
- 加藤 隆章(エッジアンドソファー)
- 吉岡 輝昌(ピラニア)
- 川村 高敏(ピラニア)
- 平田 光司(ピラニア)
- 宇野 忠(ピラニア)
- 坂本 正敏(ダンボ)
- 畑 秀幸(レッジ)
- 木織 隆生(クラックス)
- 早石 育央(エッジアンドソファー)
- 高橋 洋祐(プレイマウンテン)
- 浅川 浩志(-)
- 小林 弘道(ジャム2)
- 加藤 輝光(-)
50歳以上 オープンクラス 女子
- 早石 利枝(信州スカイパーク)
- 小林 三奈(ピラニア)
- 小林 友里(ジャム2)
40代 オープンクラス 男子
- グループ1
- 藤村 昌弘(アクティバ)
- 廣澤 貴大(クローク)
- 工藤 秀一(クローク)
- 西口 健太(クローク)
- 畑野 克実(-)
- 大井 幸直(ジャム静岡)
- 遠藤 稔己(ライノアンドバード)
- 出口 恭介(フォーク)
- 米野 嘉泰(ピラニア )
- 粉末 はかせ(粉末ウォール)
- 山田 雅弘(ソラニ)
- 鈴木 清由(クラッグ)
- 佐藤 孝行(元グラッパ)
- 樋下 賢至(-)
- 児玉 典昭(ジャム2)
- 石原 卓哉(ジャム2)
- 青木 広剛(ノボロック町田)
- 佐野 豊(エナジー)
- 上田 耕平(ジャム静岡)
- 川村 洋樹(ノボロック町田)
- 矢島 浩明(矢島ジム)
- 百瀬 丈尋(エッジアンドソファー)
- 金室 俊弘(ライムストーン)
- グループ2
- 田中 伸侍(カクタス2)
- 森 一将(カクタス2)
- 笹澤 和浩(ウォールストリート)
- 山森 政之(ピラニア)
- 異蛮子(アイキャンディ)
- 梶本 尚史(ハン2)
- 中村 武司(エコーズ)
- 渡辺 優哉(ピラニア)
- 齋藤 求(ペトリコール)
- 足達 浩之(ペトリコール)
- 藤田 慎司(魚動)
- 大滝 陽(ピラニア )
- 成田 良幸(登攀道場)
- 井上 辰政(クラックス)
- アンパラレル しん(-)
- 桑田 芳昭(ファニー)
- 田中 一暢(ハイマートベルク)
- 宇野 鋭気(ステラ)
- 中津川 淳(ジャム2)
- 寺尾 剛(ジャム2)
- 山崎 哲生(ライズ)
- 伊東 秀和(パンプ2)
40代 オープンクラス 女子
- 垣内 明子(クローク)
- 小川 真美(-)
- 戸田 希(アクティバ)
- 渡辺 美保里(ピラニア)
- 木織 瑞穂(クラックス)
- 出口 順子(フォーク)
- 長谷川 実世(ライノアンドバード)
- 金室 聖子(ライムストーン)
- 林 宏美(ペンギン)
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