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2007年10月

ワールドカップ加須 2日目 その3

アップが遅くなってごめんなさい。
今週はお伝えすることが多くて後回しになってました。鮮度が落ちた時事ネタほどつまらないものはないんですが...

さて、いよいよファイナルです。
男子は(安間)サチくん、女子は(小林)由佳ちゃんが登場。やっぱりファイナルに日本人選手が居るというのは最後までドキドキして良いもんです。

まず女子。
どの選手も出だしからスムースに高度をあげていくものの、上部で左のカンテからハリボテに出て行くムーブをためらいます。観客席からは、ハリボテの下のホールドをうかがい知ることは出来ないのですが、写真の右手がそのホールドです。

後で数馬くんに聞いたところでは、DAIHOLDのキューブのようなボリュームがあってカチ持ちできないる形状に、どの選手も手を焼いたようです。

これを右手で取って左手はハリボテの角にあるグラニテを押さえ、カンテのフックを解除しながら右足をあげ、件のホールドにニーバーを入れるまでが一連の核心部で実にパワフルです。

しかし、由佳ちゃんもこの解除の瞬間に振られてフォール。
余力あるところも感じられたので、実に残念!
準決勝をただひとり完登したアンジェラ・アイターですら、行きつ戻りつの末にこのムープでやられてしまいました。

071014_majaF.jpg


ここを突破したのは3人。
優勝したマヤ・ビドマーは終了点タッチまで持ち込んで会場は湧きに湧きました。

この登りを見て気がついたのは、マヤはものすごいクリンパーだということです。
カチは当然としても、ピンチできそうなホールドも、あまそうなガバまでもぎっと握り込む。

強傾斜でクリンプすると、ホールドを押さえ込む力を作用させないと身体が外に吐き出されてアンバランスになるものです。特に足がきれると一気にヤバくなる。ところがマヤはおかまいなしと行った感じです。
きっと身体張力が非常に優れているのでしょう。

クリンパーで思い出すのはデイブ・グラハム、コンペティターではリブ・サンゾといったところですが、日本人のコンペティターではあまりみかけないスタイルですね。
しかしながら、ホールディングの手癖自体が有利不利ということに直接つながることはないのだと、この時思いました。ユースに指導している立場として今後参考にしたいと思います。


そして男子。
最初に登場したサチくんは、テンポよい登りでルーフに突入。
女子準決勝でつかったハリボテには読みにくそうな配置でホールドが点在していましたが、フックを駆使してカンテへ到達しました。

ここからです。
今回男子決勝は、ここから一連の3ムーブが全てでした。
カンテから右手で三角の薄いハリボテを取り、カンテ裏にフックを残してハリボテをマッチ、その後はるか右のガバをダイナミックに取るムーブがそれです。

サチくんはマッチしてからフックを解除しにかかったところで、振られてフォール。
たぶんパンプ具合的にはまだ行けたでしょう。

続く選手もマッチできるかできないか、もしくは右のガバへタッチしに行って失敗します。
そして出てきたトーマス・ムラツェク。

彼はフックを残したまま右のガバをキャッチし、悠々と解除してここをクリアしました。
観客のものすごい盛り上がりを察知したか、レストしながらガッツポーズする姿はかっこいい〜!

071014_tom.jpg

ガッツポーズのトム

ところが、この後再び左に入ってくるパートで力尽きてしまいました。
びっくりしたのは、トーマスの落ちっぷりというか、墜落距離。
あの高さから、グランドすれすれの位置まで振ってきたんで、正直肝を冷やしました。ビレーヤーさん演出が過ぎますよ。しっかりしてください。

しかし、このルートは相当ハードなようです。
特に最後はえぐい。
トーマスが残り1手以上残していることを考えると、続くふたりが完登劇を見せてくれるか?はたまた、あのポルダーセクションを突破できるのか?不安がよぎります。

パチです。
件のセクションまでは楽々の展開。フックを解除しないと届かないと見ていさぎよく解除。
で、ランジで右手でガバをとらえた刹那、ハリボテを保持していた左手が抜けた!
でも、右手一本でぶら下がってる!! スゲー、と声を出そうとした瞬間フォール。
ガクっ...

最後、ラモンです。
彼の身長は160cmだそうで、ここは絶対解除してからのランジで来るはずです。
平山さんの解説が入ります。「彼は止めてくると思います。」
がしかし、パチと同じく右手一本になり、やや淡白にフォール。

不安は的中、実に拍子抜けの幕切れになってしまいました。

結果的には7人がほぼ同高度でだんご。
抜け出たトーマスがぶっちぎって優勝を決めることになりました。

終っちゃった....

順位は付きました。
しかし、選手が死力を尽くすようなパフォーマンスを観ることはできませんでした。
寂しさというか、熱くなった頭に急に冷や水をうけた感じがしました。

次はちょっと今回のワールドカップを、僕なりの視点でに検証してみたいと思います。

その4につづく

不動沢 新ルートその3

予告通り、今週末も不動沢です。
今回は、前夜に我が家に宿泊した雪山大好きっ娘。さんと前絵星岩です。最近はクラック大好きっ娘。になっているそうです。
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ここに来たことのある人なら、みなさんご存知でしょう。「新緑荒野」の1P目の右にある前傾クラックです。以前から終了点はあったので、トップロープでは誰か登っているかもしれません。でもリードするにあたっては、泥の詰まったクラックをほじって、そこにカムを決めたので、恐らく初リードでしょう。
ハイボルダーくらいの高さですが、さすがにボルダリングするには高すぎるし、やはりクラックはリードした方が面白いだろう、ということでやってみました。こんなラインを放っておく訳にはいきませんよね。

071029_fudousawa02.jpg
予告通り、楽々でした。高さがないので、恐怖感も他の2本に比べると楽勝です。ただ、2個目のエイリアンの緑は、直角に浅利きしているので、落ちたら抜けないという保証はありません。そう思うと、ボルダリングしているのと大差ないですね。
短いですが、一手一手が悪くて、512cかdくらい。これはずっと気になっていたラインなので、解決して何よりでした。

さあ、これで今シーズンのルートプロジェクトはおしまいです。まだプロジェクト自体はありますが、11月からはボルダーに打ち込みたいと思います。打ち込むのはもちろんアレです。

夜明けまで

パートナーがいなかったし、瑞牆疲れがあったので、昨日は小川山へ行きました。

偶然、知り合いに合って、「真夜中まで」をトライするというので見に行きました。そこでふとルーフの中を見ると、反対側までホールドが繋がってます。向こう側に回ってみると、同じような感じで、ルーフから抜けられそうです。さっそくトライ開始です。

071025_ogawayama01.jpg
うまいことホールドは繋がっているのですが、とにかく細かくて指が痛いです。最後の一手で苦労しましたが、なんかと登れました。結構難しいですが、本当に悪いのは2手くらいなので、二段くらいですか。「夜明けまで/二段」としました。

071025_ogawayama02.jpg
こっちは、その知り合いが登った「田嶋ハング」のすぐ左です。アンダーからスタートして左のスラブへ。低いけど、意外に悪くて2級くらい。「タクマハング」です。

どっちも、もしかしたら誰か登っているかも知れないので、ご存知ならご一報を。

【DVD】KING LINES 入荷

キター!!
KING LINES
待ちに待ったKING LINESが、今しがた到着しました。

071023_kinglines2.jpg
ウワ〜たくさんあるなぁ。
でも、これはご予約いただいた分です。

たくさんのご予約ありがとうございました。
今日からじゃんじゃん発送しますので、もう少しだけ待っててくださいネ〜

僕や、うちの五段も今すぐ開封したい衝動にかられているんですが、今日は発送作業におわれてそれどころではありません。うーん...マジで観たい。


初回入荷分のフリー在庫もすでに残りわずかになっています。
店頭でご購入をお考えの方は、ひとまずメールか電話いただければお取り置きいます。
お求めはお早めにどうぞ!

不動沢 新ルートその2

昨日、不動沢のもう1本のプロジェクトが登れました。

絵星岩の大凹角の左面の85度くらいのフェースです。先週に引き続き、ナチュプロオンリーの大ランナウトです。
071022_fudosawa01.jpg
凹角を6〜7メートル登ってから、バンドを左にトラバースし、フェースを直上。直上する起点にエイリアンの赤とオレンジを固め取りして、フェースを5メートルほどランナウト。最後にガバがあって、そこにまたエイリアンの赤が取れます。その上は5.9くらい。流れを考慮し、ダブルロープにして、途中でトラバース部に使ったロープは外しました。
フェース部分はずっと悪いムーヴの続く、5.12+くらいの細かいカチフェースです。最後のガバを取る1手までずっと悪いのですが、ロープで長さを測った数値としては、ギリギリでグランドは免れます。ただし、あくまで理論値です。
071022_fudosawa02.jpg
これはトップロープでかなり試登を重ねていたので、ムーヴは完璧でした。それでも登る前はかなりナーバスになりました。岩の表面がちょっと脆いんですよね・・・。これも普通だったら、ボルト3本で、5.12+くらいでしょうが、やはり5.13aくらいな気がします。なんか、5.13aばっかりで、僕のグレード感覚はかなり怪しいですね。

リハーサルをかなり重ねた上でのリードですから、あんまり褒められたスタイルではないかもしれませんが、しかし、それでもナチュプロオンリーという今シーズンの目標を達成できて何よりでした。プロジェクトは残り1本。それはこの2本にくらべるとかなり楽なので、今週末にサクっと決めたいところです。

【DVD】KING LINES

発売を心待ちににしていた映像が、ついにこの週末上陸します。


まずはトレーラーを見てください。






映画の予告ではないですよ。クライミングDVDのそれです。
ここまでグローバルで、破格のスケールをもった作品は、そうそうお目にかかれないでしょう。
クリス・シャーマはやはり神の子だったと確信するような、にわかには信じられないような映像のオンパレードです。

「観たい! 今すぐ観たい!!」

もう少しの辛抱ですが、初回入荷数に限りがあるので、確実に手に入れたい方はご予約されることをお薦めします。入荷次第、即日発送します。

ご予約はこちらからどうぞ

ワールドカップ加須 2日目 その2

男子のセミファイナルは左のカンテを2度通過するアクシスで、手数は60手近くもあります。
壁の中盤からの平均傾斜は150度くらいありそうな壁なので、フックなどのテクニックが要求されることはむろん、付いているホールドも容赦ありません。

国産ホールドが数多く使われていましたが、中でもブッダが随所で良いアクセントになってました。作る方も、付ける方もいい仕事してますね〜。

茂垣(ケイタ)くんは、観客に声援を要求するジェスチャーで大盛り上がり。やっぱり世界を知っています。
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粘りに粘りながらも高度を上げて行く(田中)周平さんの姿にも感動しました。
興奮のあまりシャッターを切れず、あまり写真がありません。すみません...

ルートの後半には、カンテからポケットをクロスする核心部らしきムーブがあるのですが、カンテへのフックを残した(堀)創くん、(松島)アキトくんは失敗。
そんななか、ソン・サンウォンはフックせずに思い切った正対ロックオフでクロスムーブをこなして突破し、そのまま気合いで完登してしまいました。

強い!
そしてアグレッシブな攻めの姿勢を感じる登りでした。
ユージさんも解説されてましたが、今やソン・サンウォンはアジアの顔とも言うべき素晴らしいクライマーですね。

続いて(安間)サチくん。
このカンテまでも力の入ったムーブが連発していたので辛そうでしたが、ここでホールドを確認した後長いレストに入りました。1分は休んだでしょうか。
そして選んだムーブは、カンテへのトウフック。
瞬間、いかん! と思ったのですが、なんとサチくんはクロス後のフック解除を辛抱して見事に突破。
会場は大きくどよめき、完登の期待を込めたガンバコールがこだまします。
しかし、最後のあまい(そう見える)ホールドを押さえきれずにフォールしてしまいました。

ここで、残り選手を数えると7人もいます。
決勝枠は8名。
ヤバい展開です。

そして、シルバイン・ミレーから怒濤の完登劇が続きます。
ラマも当然のごとく終了ホールドをキャッチ。
ところがここで神風が吹いたのか、ヨルグのフックがすっぽ抜けてフォール!
サチくんの8位以内が確定しました。

その他の上位選手は、強烈な強さを見せつけて楽々のクライミング。
特にラモンは、件のあまいホールドでレストをかましてから終了点をとるという余裕を見せつけて、もう笑うしかありませんでした。

ちなみに、グレードは8b〜8b+(5.13d/14a)だそうです(!!)

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壁がスゴけりゃ、作業も大変。
セッター陣の苦労話、裏話はぜひ聞きたいですね。
次号R&Sのクライミング・ラボに期待することにします。


さぁ、いよいよファイナルです。

その3につづく

低年齢化

W杯は随分盛り上がったようですね。観戦に行ったピラニアのお客さんも興奮してました。

さっそくリザルトを見ました。

071017_leadmen01.jpg

ん!?
んんんんんん!?


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ええええー!!!

僕の知らない間に、凄い勢いで低年齢化が進んでいるようです。
いや、恐るべし。

不動沢の新ルート

昨日、不動沢のプロジェクトのうちの1本が登れました。

屏風岩のエンペラータワー、同じく私が数年前に登った「霧の中で/5.13a(石楠花三昧のロングバージョン)」の右側にある85度くらいのフェースです。遠くからでもよく見える、正面のドーンとしたフェースですね。顕著なクラックが見えるので、「お、あれは!?」と見に行った人も多いのではないでしょうか。見た人なら分かりますが、実際にはクラック部分は下部の2メートルくらいで、あとは溝、その先は完全にフェースです。
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ずっと気になっていて、今年の夏に下降してみたら、キレギレにホールドがあります。トップロープで試登してみると、なんとかムーヴは繋がります。しかし、問題はプロテクションです。普通だったらボルトの3本も打つところですが、ここは不動沢です。できうる限りナチュプロのみで登る道を探りたいところです。

で、色々悩んだ挙げ句、結局は大ランナウトすることに決めました。上の写真のいるところにフレークがあり、そこにエイリアンを堅めどりして、それが最後のプロテクションです。
071016_fudousawa02.jpg
トップまでは途方もないランナウトです。8〜9メートルくらいでしょうか?核心はエイリアンの上の3〜4メートルくらいで、5.12dか13aくらい。ボルダーで初段くらいですか。その先は上にいくに従って易しくなりますが、5.11の後半くらいはあるでしょう。

トップ近くで落ちたら、一体どれほど落ちるのか、想像もつきません。核心は超えているのに、心臓の鼓動が聞こえます。あらゆる力を出し切った気がしました。登っているときは決して下は見ませんでしたが、懸垂下降するときに見たら、あまりのランナウトにクラクラしました。

グレードはもうサッパリ分かりませんね。ボルトが打ってあったら5.13aくらいかもしれませんが、その厳しさたるや13aなどというものではないでしょう。誰か検証して下さい、と言いたいところですが、そう易々とはオススメできません。ともあれ、ロクスノで言ったことが有言実行できて何よりでした。

ワールドカップ加須 2日目 その1

前前日、JFAのサイトでは前売り券完売、さらに入場制限の表示がありました。
日本のクライミングコンペで有料チケットが前売り完売。
これはもしかすると...
嫌な予感がした僕は仲間に出発時間の繰り上げを伝えて、am5:00出発。

071014_letu.jpg
会場に付いてみると、既に当日券を買い求める列ができています。
30番くらいの位置に並ぶこと1時間。
ここでようやく「当日券は100枚」のコール。

我々はほっと一息ですが、既に整理券をもらえない人が出て、これから更なる混乱が起きることは想像に難くありません。
案の定、入場してから「チケットあまってませんか?」という電話がかかってきたりして、多くの方が涙を飲まれたようです。
中には大阪から来て当日券を買いそびれた方もいたらしく、さすがにかける言葉もありませんね。
うーん...なんとかならなかったんでしょうか?


さて、競技。
会場に入って驚いたのは、まず素晴らしいウォールが用意されていたことです。
幅8mのルーフが10m以上張り出して、見応え満点。
「加須、やるじゃんけ!」

セミファイナル

日本人選手は前日の予選で健闘して全員が駒を進めています。
セミファイナルの難度がファイナル並みかそれ以上のハードな設定の場合も傾向としてあるようなので、見逃す訳には行きません。

071014_kao.jpg
まさに目が釘付け。

女子ルートは中間部の水平ルーフに張り出したバルジに、ぽつんと垂れ下がったリングホールドにダウンする箇所があったのですが、選手の個性が出た見所でした。
フックを残して振られを抑えた啓代ちゃん、そのまま降られに耐えた榊原さん。
田中亜紀さんはリングへのマッチを計算して、ピンチっぽくホールドしたのが逆にあだになったようでした。残念!

ちなみに、アンジェラはここを両腕で引きつけてからのフック解除→キャンパで、最もスピーディにこなしました。
ロックオフとボディテンションの筋力が高く、それをこうしたポイントで上手く使っている印象的なシーンでした。

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ダウンムーブ後のレストでは、こんなムーブをする選手も。

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左:パチ  右:マヤ・ヴィドマー 美貌に目がいってしまう。

ラスト4ムーブは正対真っ向勝負という感じで、余力の無い選手は次々にここで落ちましたが、由佳ちゃんは力強く終了点タッチまで。アンジェラはここでも設定ムーブかと思われる手順をみせて楽々と完登。

しかも、完登後のしぐさというか、表情が何ともいえないカワイイオーラを発していました。
スゴい選手です。

次は男子。

その2へつづく

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