男子のセミファイナルは左のカンテを2度通過するアクシスで、手数は60手近くもあります。
壁の中盤からの平均傾斜は150度くらいありそうな壁なので、フックなどのテクニックが要求されることはむろん、付いているホールドも容赦ありません。
国産ホールドが数多く使われていましたが、中でもブッダが随所で良いアクセントになってました。作る方も、付ける方もいい仕事してますね〜。
茂垣(ケイタ)くんは、観客に声援を要求するジェスチャーで大盛り上がり。やっぱり世界を知っています。
粘りに粘りながらも高度を上げて行く(田中)周平さんの姿にも感動しました。
興奮のあまりシャッターを切れず、あまり写真がありません。すみません…
ルートの後半には、カンテからポケットをクロスする核心部らしきムーブがあるのですが、カンテへのフックを残した(堀)創くん、(松島)アキトくんは失敗。
そんななか、ソン・サンウォンはフックせずに思い切った正対ロックオフでクロスムーブをこなして突破し、そのまま気合いで完登してしまいました。
強い!
そしてアグレッシブな攻めの姿勢を感じる登りでした。
ユージさんも解説されてましたが、今やソン・サンウォンはアジアの顔とも言うべき素晴らしいクライマーですね。
続いて(安間)サチくん。
このカンテまでも力の入ったムーブが連発していたので辛そうでしたが、ここでホールドを確認した後長いレストに入りました。1分は休んだでしょうか。
そして選んだムーブは、カンテへのトウフック。
瞬間、いかん! と思ったのですが、なんとサチくんはクロス後のフック解除を辛抱して見事に突破。
会場は大きくどよめき、完登の期待を込めたガンバコールがこだまします。
しかし、最後のあまい(そう見える)ホールドを押さえきれずにフォールしてしまいました。
ここで、残り選手を数えると7人もいます。
決勝枠は8名。
ヤバい展開です。
そして、シルバイン・ミレーから怒濤の完登劇が続きます。
ラマも当然のごとく終了ホールドをキャッチ。
ところがここで神風が吹いたのか、ヨルグのフックがすっぽ抜けてフォール!
サチくんの8位以内が確定しました。
その他の上位選手は、強烈な強さを見せつけて楽々のクライミング。
特にラモンは、件のあまいホールドでレストをかましてから終了点をとるという余裕を見せつけて、もう笑うしかありませんでした。
ちなみに、グレードは8b〜8b+(5.13d/14a)だそうです(!!)
壁がスゴけりゃ、作業も大変。
セッター陣の苦労話、裏話はぜひ聞きたいですね。
次号R&Sのクライミング・ラボに期待することにします。
さぁ、いよいよファイナルです。
その3につづく