JCGA クライミングインストラクター資格

JCGA 日本クライミングジム連盟のインストラクター資格模擬検定に行ってきました。  130624_JCGM-kentei.jpg 入り口の看板でお気づきの方もおられると思いますが、ピラニアは今年4月からクライミングジム連盟(以下JCGA)に加盟させてもらっています。 JCGAはどんな組織でどんな活動をしているのかはwebサイトを見ていただくとして、今日はジムのインストラクター資格を作っていく為の活動でした。 スポーツクライミングに関する指導資格としては、日本体育協会公認指導員がありますが、これはどちらかというとジムスタッフのインストラクションを想定したものではなく、スポーツの指導者としての一般教養とアルパインクライミングを含めたフリークライミング全般のスキルを資格化したもので、クライミング能力や指導者としてのコミュニケーション能力については、それほどシビアなものが問われない資格だという印象があります。 たぶん、5.10+が登れたら取得可能かと思いますね。 130624_JCGM.jpg それとは別に、クライミングジムのインストラクターに求められるものはちょっと異なります。 まず、指導の対象となるお客さんの人数がハンパない。かつ、そのレベルも幅広い。 そして何よりジムでの指導に求められるのは、解りやすさとスピードです。 これはどういうことかというと、指導内容をその場ですぐ理解してもらわないと、その日のジム利用が成立しないことにあります。 まったく初めての方がジムで遊べる時間は、体力的に限られます。 そのなかで安全性やルールだけではなく、楽しさを感じてもらうには、どんどん飲み込んでもらう工夫とコミュニケーション能力が必要になります。 安全を含め重要なことを省くことなく、それでいてコンパクトに要約して説明する。 解りやすい言葉やフレーズ、手法を考えて、伝わりやすくする。 そして、お手本を交えて教えたり、そのお客さんに合わせた課題を瞬時にセットする。 こうしたことが普通にできてこそ、お客さんのジムでの時間が充実したものなります。 ですので、ジムでのインストラクター資格は、登る能力とセット能力、そしてコミュニケーション能力がより必要なものになると思います。
話を戻します。 今のところ、全国のジムの指導者は自称インストラクターなわけですが、これを標準化するのが資格制定の目的です。 そんなことが何の役にたつのか?という人もいますが、業界として指導のクオリティを高めることは当然のことであり、とても大事なことだと思います。 クライミングジムがもの凄いペースで増えているにも関わらず、指導のクオリティはジムによってまちまち。さらにそれがお客さんからは見えづらく、選択しにくい状況は良い状況とは言えません。 JCGAが認めるインストラクターがいるジムなら、安心してビギナーが行ける。薦められる。そうなれば利用者の利益にもつながり、クライミング社会の健全性にもつながる、三方良しということになります。 130624_JCGM-terashima.jpg ちなみに、今日の模擬検定はTウォール錦糸町店で行なわれました。 この方が社長の寺島由彦さん。 日本のクライミングレジェンドのひとりです。 たぶん知らない人がいると思うんですが、僕がクライミングをはじめた頃、雑誌「岩と雪」でメチャメチャハードなクライミングをされていたクライマーで、本当に憧れの存在でした。 模擬検定では僕がインストラクターで、寺島さんがビギナーさんに扮するという時間もあり、はっきり言ってチョー緊張して頭が真っ白になりました(苦笑) そして、寺島さんの指導は実に丁寧で解りやすく、関心を通り越して感動しました。 あれと比べたら、僕なんかインストラクター気取りのおっちゃんですわ。 まぁ、とにかく非常に勉強になった有意義な一日でした。
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