不動沢の新ルート

昨日、不動沢のプロジェクトのうちの1本が登れました。 屏風岩のエンペラータワー、同じく私が数年前に登った「霧の中で/5.13a(石楠花三昧のロングバージョン)」の右側にある85度くらいのフェースです。遠くからでもよく見える、正面のドーンとしたフェースですね。顕著なクラックが見えるので、「お、あれは!?」と見に行った人も多いのではないでしょうか。見た人なら分かりますが、実際にはクラック部分は下部の2メートルくらいで、あとは溝、その先は完全にフェースです。 071016_fudousawa01.jpg ずっと気になっていて、今年の夏に下降してみたら、キレギレにホールドがあります。トップロープで試登してみると、なんとかムーヴは繋がります。しかし、問題はプロテクションです。普通だったらボルトの3本も打つところですが、ここは不動沢です。できうる限りナチュプロのみで登る道を探りたいところです。 で、色々悩んだ挙げ句、結局は大ランナウトすることに決めました。上の写真のいるところにフレークがあり、そこにエイリアンを堅めどりして、それが最後のプロテクションです。 071016_fudousawa02.jpg トップまでは途方もないランナウトです。8〜9メートルくらいでしょうか?核心はエイリアンの上の3〜4メートルくらいで、5.12dか13aくらい。ボルダーで初段くらいですか。その先は上にいくに従って易しくなりますが、5.11の後半くらいはあるでしょう。 トップ近くで落ちたら、一体どれほど落ちるのか、想像もつきません。核心は超えているのに、心臓の鼓動が聞こえます。あらゆる力を出し切った気がしました。登っているときは決して下は見ませんでしたが、懸垂下降するときに見たら、あまりのランナウトにクラクラしました。 グレードはもうサッパリ分かりませんね。ボルトが打ってあったら5.13aくらいかもしれませんが、その厳しさたるや13aなどというものではないでしょう。誰か検証して下さい、と言いたいところですが、そう易々とはオススメできません。ともあれ、ロクスノで言ったことが有言実行できて何よりでした。
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