踏めないことには登れない。
木陰だとダウンの手放せない寒さの店外6月の小川山。
踏み修行にはもってこいの親指岩下エリアは露岩から。
初めて岩に登るクライマーにはスラブで踏みを経験してもらうことにしている。
6級がコンスタントに登れることが参加条件のひとつ。
しかし、7、8級のスラブ課題に手を焼くことはおよそ想像がつく。
それだけ「踏めない」クライマーが多いと感じている。
ノーハンドに興じるベテランをよそに、シューズの先をすり減らす初めてクライマー達。
足が信頼出来ない。踏めてる気がしない。フットホールドが無い。
8級なのに。。。
ジムとのグレード感の違いを感じたところで素敵な8級を紹介することにした。
はじめにテントサイトから目立つ「きたない大岩」。
ど真ん中のガバつなぎの直登ライン8級。
ガバばかりとて高くてこわくて登れない。
初心者は無理せずに。
そして、金峰山に続く林道を進みチェーンゲートの手前左側にある小さな岩「金峰山岩」。
山荘側の面、右側のスラブ。ハンドホールドに頼れない、まさに踏み系の好課題。
離陸もままならないこの課題、段クライマーでもオンサイトできないクライマーも多いんじゃないだろうか。
真上から踏む。自信を持って全体重をかける。なかなか出来ない。
けっこうトライしたけれど、ベテラン以外全滅。。
そしてチェーンゲートを越えて少し歩いた右側、道端なのに薄暗い林の中に鎮座する巨石「林道岩」。
オススメはしないので店長のトライ。自己責任で。
5メートル越えの高さ。ガバフレークをつなげて4メートル、フレークの上に立つと残りワンムーブのスラブが。
2ミリほどのフットホールドに右足を上げるのに、フレークの上でクロス足で左足をフレークの付け根に送る。
インカットしてない二つのモノポケに指腹乗せたら高めの右足にのせて確実にのりこむ。
一気にアドレナリン。立ち木をつかまないで返し切るのが男気あって良いと思う。
高さに対するメンタル、確実に踏める自信。
人気はないけれど自信に問いかけてくるこんな課題が好きだ。
素敵な三つの課題は金峰山へ続く林道にある。店長は密かに小川山8級街道などと呼んでいる。
清々しい新緑、開いてしまったワラビ。
自然を感じる余裕の持てるクライマーになってもらいたいと思うこの頃です。